田宮模型。
出会いは小学校6年生のころか。
初めてのプラモデルを買う。
田宮のウォーバードコレクション「F16ファイティングファルコン」である。
千円いくかいかないかのお手頃価格。
正確にいえばイタレリ製品のOEMであったのだが、当時はお構いなし。色も塗らず作った。
すごく楽しかった。遊びすぎて細いピトー管なんかはすぐ折れ、色塗りのテストピースになり、かわいそうな人生をたどったF16。忘れまい。
さらにいろんなジャンルに手を出し、たどり着いたのがミリタリーミニチュアシリーズ。略してMM。
ジオラマといえば1/35スケールであるが、このサイズは旧田宮のモーターライズ戦車のサイズ(偶然)に由来する。著書、「田宮模型の仕事」に書いてあった。
なにが楽しいのか。フィギュアの躍動感だ。単体でもいい動きのフィギュアが戦車や車両、ドラム缶によって30倍もの躍動感にもなる。茶の間のこたつ上が戦場になることが多々あった。テレビチャンネルによって命を救われた兵士は何人いるだろう。
田宮のラインナップはどうも旧ドイツ軍ひいきなところがあって、車両も兵隊もアメリカを圧倒する。歴史上は真逆なのが皮肉。まあドイツ軍はいいもの作るから模型にしたいのもわかる。
よって自分もドイツひいきであることを明言しておく。
いままで作った中でよかったものをあげていこう。この「よかった」は、いかに遊べたか、が大きなポイントになってくる。製品名は間違っているかもしれないが許してね。
まず、Ⅳ号戦車。
いろんな型があったと思うが、確かH型。表紙絵はダークイエロー色にレッドブラウン迷彩。これは最高に遊べた戦車だ。装甲が多いため、ジェリ缶(ガソリン缶)とか小物をいっぱい積みこめた。忘れてはいけないアイテムが洗面器。Ⅳ号にはこれが付いている!
説明書!いちいち細かいエピソード「俺のほうがその戦車より若いぞ!!」など、燃える。
工作法など細かな気遣いがあって、何回も読み返したものだ。
次、機関銃チームセット。
見よ、このポーズ。機関銃手だけでなく、双眼鏡指揮官まで付いているのが田宮。これ何年前のよ?
やはりいい動きだ。
次、パラシューターセット。
箱絵がイカス。
セイウチみたいなかっこの彼の右手のワルサー拳銃が一体成型。彼は拳銃が離せない。
なぜか棒立ちポーズの兵士もいる。こいつはキーホルダーにしたかった。ただし顔は微妙。
次、M113ACAV。
べトナム戦アメリカモデル。おまけがすごい。
M2重機関銃、M60機関銃、M16など田宮ではレアな近代銃が手に入った。さらに敵のAK47、RPGまで付いてくる。また、コーラ缶(なんとデカールつき!だが缶に見えない…)や、折りたたみベッドなど、小物ファンにはたまらない仕様。
まだある。エンジン室、天井、後ハッチはヒンジがしっかり別パーツで、ちゃっかり可動する。私にはとても接着できなかった。内部のエアコン、エンジンまで再現されていた。まれに見る良キット。
次、アメリカ歩兵攻撃セット。
動き重視の超攻撃仕様。まるでバンドオブブラザーズの一部。
銃器の再現度はMAX。近代MMでもよかったものの一つ。
次、対空砲FLAK37(?)
かっこいいから。砲身が後退した。兄弟の魔の四連装もいい。
そしてこの高射砲兵セットと組み合わせる。
まとめ。フィルム写真がぬくもりあるように、昔のMMキットはぬくもりがあった。兵士の顔はみな小太りで、憎めない顔だったし、車両も動くところはたいがい動いた。ドイツ兵員輸送車ハノマークは小難しい後方ハッチのヒンジも再現していた。おまけにステアリングも切れた。
だから印象に強く残っている。
今のモデルはよりリアルになったものの、面白みがなく感じる。動かないし、説明書だってただの説明書。前は部隊構成とか伝説とか、楽しませてくれた。
タミヤよ。忘れたとは言わせないよ。