RAWイメージング。

実は全部JPEG撮って出し。

はやぶさ帰還番組「HAYABUSA 〜BACK TO THE EARTH〜」 厚木市こども科学館


本厚木駅近くにプラネタリウムがあるらしい。
しかも探査機はやぶさの帰還番組を上映するという。
行かないわけがないじゃないか!

本厚木駅徒歩3分。古めかしい図書館の上にプラネタリウムがある。

7階まで。
科学館の中は科学館というに言えない状態。市役所の7階に手作り科学教室を作ってしまった感じである。どことなく、小学校の理科室っぽい。
特設のボード。


↑オーストラリアのこの辺に落ちるようです。


ノーカット版のチケット(17:00)あと一枚!この時14:30。危ない危ない。
予想以上の人に同日追加上映になったようです。

プラネタリウムは90人規模で客席が段々になっていませんでした。でも良く見えた。


…以下上映も交えつつはやぶさの話。間違いがあるかもしれません。うろおぼえですので。
「ここでは星は瞬かない」の渋い声から始まった。宇宙を漂っているのは我々。落ち着きのある、優しそうな声でした。


はやぶさの紹介、はやぶさは秒速30kmで飛行しているそうです。東京-大阪間を15秒でパスしてしまう速さなのだとか。
目標の小惑星イトカワの大きさ、約500m、16両新幹線より少し大きい(ボードより)。
確か、イトカワにたどりつくまでに30億キロとか言ってたかな。30億キロ先の500mの物体にタッチダウンして帰ってくるという計画。
イトカワだって軌道まわっているんだよ?
イトカワってどこにあるのか?正直はっきりしなかったのですが、太陽系の小惑星帯(グラフィックでは地球より外側の軌道)にいて、地球に近づく軌道を持つ小惑星なようです。
そもそもなぜタッチダウンさせる必要があるのか。それも渋い声が語ってくれました。
太陽系が出来上がるときに、内側にあったチリは岩石系の惑星(水星から火星)、外側はガス惑星(木星土星)、さらに外側は氷惑星になった。これらにくっつかなかったものは今も小惑星として漂っている。地球ができた時の46億年前の情報は、地球がくっつくときの熱で溶けて失われたしまった。しかし、同じ成分であろう小惑星は宇宙空間では熱にもやられないし、風化もしない=46億年前の情報を持っている、とうことらしい。その岩石なり、砂なりを持ち帰れたら、それは学術的にものすごい価値になる(地球では手に入らないから)。
惑星探査ミッションなら過去にもたくさんありました。私の好きなボイジャーもそう。しかしその探査機たちは、宇宙空間をいまだに漂ったままです。このはやぶさのすごいところは"帰ってくる"ことにあります。
2003年の打ち上げから7年、その重要なミッションを終えて明日はやぶさが帰ってくる。かつての偉業、カッシーニやらボイジャーの時は幼すぎて知らませんでしたが、今回は歴史的瞬間に立ち会うことができます。にしても報道してないな。
さてこの文章だけではさもうまくいったように思われるかもしれませんが、実際は苦難の連続だったようです(上映ではあまり語られていない)。イトカワタッチダウンする際不時着してしまったり、小型探査ローバー「ミネルバ」が外れたり、燃料漏れ、数機のエンジンの故障、姿勢制御装置の故障、電池も壊れたり。通信だって1カ月以上途絶えたらしい。
これほどの問題を抱えても明日地球に戻ってくる。たくさんの研究員の方が頑張ったからです。機械を愛せる日本人でよかった。
この特技を、我々は忘れてはならないね。もちろん擬人化のことではない…

苦難を乗り越えてミッション終了、地球に帰還、やったね!と思うかもしれませんが、実際はカプセルに小惑星のかけらが入っているかははやぶさしか知りません。入っていたら大成功、入っていなくても成功だと思います。収穫は確実にあった。

最後になりますが、はやぶさが地球に帰還というのはアポロの乗員がハッチを開けて手を振るような、温かいものではありません。
なにせ採取カプセルを切り離したら、はやぶさ自身は燃え尽きてしまうからです。せっかくみんなの元に帰ってこれたのに…
上映最後のシーンは涙が出ました(イトカワから離陸した時もですが)。となりのおじさんも絶対に泣いてました。
こんな風に映画を作ってしまうのも、観てしまうのも、日本人ならではだなあと思いました。
何より探査機史上もっとも愛された「探査機はやぶさ」は幸せだったでしょう。
では、残りの旅の無事と、カプセルのビーコンが作動することを祈って・・・
D