RAWイメージング。

実は全部JPEG撮って出し。

また昔話。片知渓谷の悲劇。


これももう一年近く前の話になる。
旅手帳には2012/6/2と書いてある。

岐阜で羽を伸ばしていた私は人気の少ないような山道を開拓することにはまっていた。
この美濃市の片知渓谷もそんな好奇心で入った場所だが、今回は悲劇の場所となる。

頂上付近に展望台みたいなところがあって、美濃の山を望むことができる。
手すりにもたれて上の写真を撮る。
この時グラブを落として拾った。

さて、出発するかとバイクに戻ると、無い。
鍵がない。

最初はすぐに出てくるだろ、とタカをくくって探していたが、1時間半探しても見つからない。
たった30mの行動範囲なのに6月だから藪の成長がピークで探しづらい。
この時15:30位だったかな。
人気がないといってもそれなりに行楽客もいたが、徐々に帰って少なくなる。
助けも求められなくなってしまう!

ここで決心、クラウンで通りかかった夫婦をヒッチハイク
人生初のヒッチハイクである。

愛知の一宮からお越しの夫婦は通り道だからといって寮まで送ってくれることに。
拾う神とはこのことか、と思ったのだった。
助けてもらったくせに道の駅でアイスクリームを御馳走になる。
お茶を買ってきて少しでも罪悪感を紛らわそうとしたが、アイスクリームの罪悪感のがよっぽど大きかった。
しかし美味しかった。


寮について、住所を聞いたけど「いいよいいよ」で済まされてしまったのでお言葉に甘えて見送った。

このことを先輩に話したら、「バイクが心配だから今すぐ行こう」といってその日の夕方に現地に連れて行ってくれた。
僕の気持ちを代弁してくれてとてもうれしかった。
マスターキーは部屋にあったので、そいつを持って先輩のKLX125で夕方の美濃に。
3人の助けを得て、無事にバイクを下すことができたのである。



これで話は終わらない。
翌日に僕はホームセンターで鎌を買った。
取り戻しにいくのだ。大切なカギとキーホルダーを!
バリオス時代から付けてたカワサキキーホルダーと、一緒に四国を回った「からし色カエル」のキーホルダー。

12:53草刈り開始。
人の山に勝手に手を付けてはいけないことは知っている。
今回はご容赦願いたい。
展望台に向かう階段を徹底的に切り開いた。オオスズメバチ君も応援に来てくれた!帰れ!

これ周りと同じ高さのイタドリが生えてたんだけど、皆切った。
階段にはないようなので昨日グラブを落としたあたりに範囲を広げた。
おや…?

感動の再会。
これを残した旅手帳の最後にはこう書いてある。
「感無量」
こうして片知渓谷の悲劇は幕を下ろした。
関係者の皆さま、ありがとうございました。



余談、見つけた時は写真のことも忘れて手に取ったさ。
でも「あ、ブログのネタにしよ」とそっと戻したのも事実。
今思うとなんて汚い立て親指なんだ!