RAWイメージング。

実は全部JPEG撮って出し。

丹沢合宿日記。

今回修正点
・割り箸を忘れた
・サンダルを忘れた
・歯ブラシを忘れた
・ごみ袋を忘れた
・鍋割山でハンガーノックになりかかる。
・重荷の時はラクダ歩き。足はハの字。ザックを振るように。
・夏にテント内でストーブ使うと死ねる。
・山の雷は怖い。マジで怖い。洒落にならん。


8/1
会社を一日休んで丹沢合宿決行。二泊三日。単独。カメラなし。
【10リットルの水でトレーニング】
堀山の家まで上げるつもりだったが、全部休みで山頂の尊仏山荘まで汲みあげることになってしまった。
3泊4日はいけるナと心強い一言をいただいた(社交辞令じゃなきゃいいけど)。
いろいろ山の話をしているうちに南アルプスの林道が崩れて広河原〜北沢峠までの通行止めになっていることを聞いた。
※今のところ代替えルートで乗り換えによって広河原〜北沢峠も可能。
そんなことになっているとは!水をくみ上げて良かった。あげてなければ景色見て下山だった。
南アルプス縦走は八ヶ岳の縦走よりは難易度が低いとのこと。ただし仙丈から北岳まで長い距離になるので大変だと。
途中で緊急避難っつってビバークすればいい、夜のうちに。山の先輩は皆そういう。本当に悪い先輩ばかりだ。
そうこうしているうちに西丹沢、富士山は雲海に包まれた。「今日はアタリかもな」といって水割りをもって外に出て行った尊仏ご主人。
きれいな雲海だった。山に沿って流れる雲を見ながら主人と世間話。あごひげとラフな格好からか、いや、遠くを見るまなざしが鋭いからか。本物の山暮らしの人だな、と思った。
岳の三歩君は漫画のひと。僕は現実の山屋の姿にあこがれるのだ。
18時40分くらいになると急に山頂は雲に覆われた。主人は「あ〜南風になっちゃった」といってここでお開き。
若い方の主人(?)がもう窓を閉め始めた。よし、自分も下山しなくては。
暗くなる大倉尾根を下山すると塔ノ岳の裏(北)のほうで雷が鳴り出した。ぽつぽつ。ちょっとまってくれ、あと一時間!
絶え間ない稲光でヘッドライト無しで下山できそう。でも周りは杉の木に囲まれているからそんなに怖くなかった。このときはね。
さらに雷雲の中心が大倉尾根と鍋割山の尾根の間に来てその力をブイブイ言わせた。
近くの山に落ちる落ちる。街での雷と違って間隔が非常に短く、かなり強い。ゴロゴロ系じゃなくでバリバリ系。
命の危険を感じタイプの雷。頭上からバリバリバリバリといって向こうの山に向かって収束、ドーン!!!!
雷は雲の中を走って一点に集まるんだと感じました。
風と雨もあって浸水が心配だったが、ステラリッジ1型はなんとか持ちこたえた。
メモ帳にこう書いてある。
「どうせなら一瞬で楽にしてもらいたいものだ」
今思えば、この雷雨のおかげで気温が下がって寝やすかったんだな。
モンベル アルパインダウンハガー#3 800】
買ったばかりで初めて使う。今までのウルトラライトとは比べもんにならんほど暖かい。スタッフバックから出すと膨らむ。さすがダウン。
これがあれば八ヶ岳でもうまく眠れたんだろうな。。。

8/2
命名、「丹沢の夜」】
嵐は去った。あの忌まわしき雷を耐えたテントは3張り。朝ご飯前に自然とみんな集まって互いの無事と健闘と自然の恐怖を語りあった。
たまたま茨城から遠征に来ていたワンゲル部出身の熊澤(沢?)君がこういった。「この丹沢の夜は忘れることは無いでしょう」。
こうして「丹沢の夜」と命名されたのである。自分も決して忘れないだろう。
あと初めてヒルにやられる。タバコの火を押し当ててやると熱がって落っこちた。ほんとに痛くもかゆくもないんですな。
血が止まりにくかった。

【また、尊仏山荘へ水を上げる】
昨日の今日だったが、案外いけそうな気がした。だめなら途中で捨ててテヘペロもできるし。
エネルギー補給に気を使って昨日より楽に完了できた。気温が低かったのが大きいだろう。酷暑の闊歩はやっぱり疲れるんだな。
何より元ワンゲル部の熊澤君に重荷の歩き方を教えてもらった。
足はハノ字に開く。手と足を同時に出すようにザックを揺らして重心移動する。なるほど、彼を後ろから見ているとそんな歩き方だ。
意識してやると意外と難しい。無意識にできるまでは初心者かな。
彼は同じくらい重いザック背負っているのにあっという間に見えなくなった。30分は早く着いたようだ。信じられん。
最後に握手をして彼は丹沢山に向かっていった。頼りになる青年だった。またどこかの山で会いましょう。
チャンピオンと初めてお話しする。もう荷揚げ登頂4600回に達した丹沢の有名人だ。独特の人かと思ったら、意外と普通の方だった(いや普通じゃないが)。
チャンピオンは猫と仲が良いようだ。

【読図について練習】
山に行くには地図を持っていくのが当然。僕もそれくらいは知ってる。
でも、持っているだけでは役に立たない。ましてや迷ってから開いても手遅れである。
素人を脱出したい!なんで山岳読図大全という山と渓谷社の黒い本を読んだ。(広告ではない)
慣れた山で地形図を思い描きながら登る。これが良い練習になるとのこと。
自分なりに先に地形図を読み取ってその通り歩いているか確認する。これが確かに良い練習になる。
なんかで読んだけどベテランは事前の地図読みに時間をかなり費やすようで、もう山に登った気分になるそうだ。
さらに見える景色も想像するんだって。すごいね。
今回の合宿はこういうところの練習も含む。


【塔ノ岳からユーシンロッジへ下る】
初めてのルート。不人気ルートであることは間違いない。けど人間一人で散策するのが新鮮で気持ち良かった。森林浴に近い。
大倉尾根は人が多すぎる。塔ノ岳から西へ向かう尾根を下る。下る。下る。下りきって沢まで下りちゃう。せっかく稼いだ高度がパー。
枯れ沢を対岸に渡ると道があるらしいが…覚えたてのコンパスワークで確かめるとやっぱりこっちでいい。
アスファルトを想像していたのにでてきたのは閉鎖された荒れ放題の未舗装道。
くずれてしまったガレの上に人の踏み跡がある。ありがたく使わせてもらいます。
道沿いの沢の水がまたきれいで、アルプスの天然水のパッケージのような青だった。泳ぎたいけどそうとう冷たいと思う。かなり上流だもの。
なんやかんやで1時間近く歩いた。ユーシンロッジには用は無くて鍋割山への登山道に用があるのです。

【気分は冒険家!?ユーシンから雨山峠を経て鍋割山】
雨山峠までの沢の遡行が面白い。基本山の側面をトラバースする感じに登っていくんだけど山の側面に突き刺した桟橋を渡ったり、
細い踏み跡を探したり。小さい頃の山遊びを思い出す。ただし滑ると沢の滑り台を作っている岩に頭をぶつけて水死体となって発見される。下りは特に生きた心地がしないだろう。なんて思っていたら高校生くらいの子がでかいリュック背負って一人で下りてきた。なんて子だ。気を付けておくれよ。
ワインレッドのザックがやたら記憶に残った。すれ違ったのはこの子だけだった。
登りまくると雨山峠に着いた。正直くたびれた。上からガサガサ音が聞こえるので見ると女の人が一人で下りてきた。物好きな人だなあ。すごく静かな峠で、他人といるのが苦しかったので逃げるように出てきた。
ここから鍋割山への分岐をいく。
鍋割山への尾根は細い。鎖使わんと登れない道も出てくる。ただし難所ではない。
山頂間近でハンガーノックになりかける。確かに山を2回登るにはエネルギー不足だった。行動食が課題だ。暑いと食欲がないのが問題。
亡霊のような歩きで鍋割山頂に着いた。

【鍋割山から大倉尾根に戻ってテント場へ戻る】
うんざりしながら大倉尾根に戻るルートをいく。せっかく登ったのにまた下ったりでこれが苦痛。
行程も思ったより長い。コースタイム35分。途中大倉尾根の花立山荘が小っちゃく見えてうんざりした。
大倉尾根に入れば下るいっぽうなのだが。なんとか気力でしのいだ。左ひざが痛い。これはやりすぎたか。
大倉高原山の家に18時頃戻ると「堀山の家の頼さん」が来ていた。ブログに乗せるからと写真を撮られる。
面白い話もいっぱい聞けた。頼さんも立派なボッカなんだけど通いなれた登山道で冬に遭難しかけた話(公表して良かったかな?)とか、尊仏山荘の猫の話とか。素敵な笑顔で話すもんで聞き入ってしまう。優しい人なんですな。

【晩飯】
その晩の釜めしの素入りご飯は芯飯になった、アーメン。
ちゃんと米は浸したんだけど、風が強くて火力が安定しなかったからだろうか?それとも最初の強火が足りなかったかな?
初めて持っていった小さい果物の缶詰は最高だった。定番にしようかな。

【テント問題】
風が強いもんで途中からテント内で米を炊いた。これが寝苦しさの原因となった。
ステラリッジ1型は軽量コンパクトはいいが、前室も小さく靴を置くだけでいっぱいだ。
靴をどっかやっても、コッヘルの頭がフライに接してしまう(トレックコンボとプリムスP153の組み合わせ時)。前室の調理は諦めたほうがいい。あと、通気性が悪過ぎて600mくらいの高度では暑すぎる!高山ならちょうどいいかな?
そういえば昨日の雨は予想以上に降ったようで、グランドシートの上が水浸し。でもテント底に少しにじむくらいだった。やるじゃん。

【寝苦しい夜】
暑い。前室の方っぽを開けて風の取り込みを試みるが全く無意味。しょうがないのでマックパックのカタログレジャーシートをうちわにしてやっと眠れた。ほんとに役に立つカタログだ。
今日はシュラフなんてとんでもない。頭上に丸めて放置。しかしステラリッジ1型は狭いな。

8/3
【撤収】
暑かった割には11時から4時30まで起きなかったので、自分の「ぼうけんのしょ」的には良く眠れたといえる。最短は3時間だったりする。
グランドシートが水没したままだったので洗ってちょっと乾かしてたたむことにした。
急いでもバスがないのでチンタラチンタラやる。ほんとに撤収は嫌い。稜線で雨天強風なんて吹こうものなら発狂してしまうだろう。
重点トレーニングが必要なのは撤収だった!?
とにかくテントはザックの下層に入れたい。ということはテントの荷物を全部出してテントを畳む。そこからパッキングスタートとなる。
その間荷物は放置する。前回の縦走ではそうしたけどこれも正解かわからない。
そうそう、昨日熊澤くんの撤収を観察していたのだが、テントもグランドシートも汚れていてもお構いなしで畳んでしまう。さすが元ワンゲル部。図太い。
ザックへの収納もよく見ておくんだった。

起きてから3時間かけてご飯と撤収作業をこなした。その間ラジオ体操を聞きながら夏だなぁと感じた。

【帰宅】
大倉尾根を下る。登ってくる人が多くてなかなか進まない。
「おととい会いましたね!?」という夫婦と出会った。確かに見た顔のご主人だった。覚えていてくれて大変光栄です。
バス停について時間があったので読図の練習。二ノ塔、三ノ塔はどれでしょう。答えはビジターセンターの看板に書いてある。

いろんな経験と課題を浮き上がらせた合宿になった。
また自分のホームは丹沢だと強く感じた。これからもよろしくお願いします。