RAWイメージング。

実は全部JPEG撮って出し。

南八ヶ岳縦走 【8月17日(3日目)】

イラストは気が向いたらなんか描くかも。


ちょっとの傾きとちょっとの岩のせいで全く快適に睡眠することができなかった。
寝てると斜面下側に転がっているのだ。それを修正しようとすると今度は出っ張り岩が背中に食い込む。しかも寒い。

3時くらい。起きて空を見たら昨日より快晴で星が多く見える。
シリウスがぎらぎらしていた。

k-5はリモコン無しだと30秒が最長。ISO6400でこのくらい星が浮かび上がる。
さすがに6400だと荒い。

かっちかちにつぶれたパリジャンのベーコンサンドをコーヒーでほぐしながら食っていると明るくなってきた。

富士山も見える。今、あそこのてっぺんにも人がいるんだよね。

小屋泊の方々。雲海に目がとまる。
どんどん明るくなる中、撤収がうまくいかない。今後の課題だ。

そして5:02出発。

ここで事件発生。DA12-24レンズフードが脱落して沢の斜面をすごい勢いで転がっていった。
一瞬で諦めるような早さだった。
レンズフード単体で売ってないっぽい。
キレット小屋水場の沢で発見した人は御一報ください。

この尾根をたどって権現岳へ。
天気がよくて気分がいい。さえぎるものがないので涼しい風が始終吹いていた。

↑これは西の方向。南アルプスから北アルプスまで。

これから赤岳に向かう隊列とすれ違う。たまにすれ違うくらいがいい。
人が入ると山の大きさが良く分かる。

↑ツルネという場所から一枚。どういう意味かは調べたけどわからなかった。
目標はあそこです。

噂に聞いたハシゴの足が見えてきた。
地図上には「長いハシゴあり」と書いてる。
「梯子の下、谷底まで見えてコワイヨ〜」と会社のおじさんが言っていた。こういうことか…

取りつきはいつもの梯子だったけど、登るほど高度感が出てきて怖い。
体がこわばる。慎重に慎重に…

登りはいいけど、下りはもっと怖いだろうな。
梯子が終わっても岩場は続く。とにかく登る。


権現岳に着いた。景色は良かったが、とくに感動はしなかった(!)


↑次に向かう編笠山、確かに編笠の形。右下に通過点の青年小屋が見える。
雨水でやってきたがそろそろうまい水が飲みたかった。青年小屋には水場がある。はやく!

振り返り見る権現岳。権現小屋も見える。


岩場の連続。しかし鎖も、人通りもあるのであまり怖くない。すれ違いは大変だけど。
途中ベテランのおじいさんのお話を聞けた。
見た感じ70歳くらいに見えるこの方は、大学での集大成としてパーティーでの厳冬期の北アルプス縦走をやったらしい。加藤文太郎の足跡をたどろうというものだ。
その後もボッカでプロパン100キロを担いだり(50キロが担げれば100キロも担げるらしい)して現在に至る。こいつは何者なんだと思いながら聴いていた。
おじいさんは現在の山登りの格好をしておらず、ぱっと見たら街からそのまま登ってきたような格好をしているが、革製の登山靴は使い込まれていていい感じ。3代目とのこと。
ノースフェイスで決めたおじさんが「この先は危ないよ」見たいなことをおじいさんに言っていたが、どう思ったのだろうか。
この件から格好を気にしているうちは素人な気がしてきた。
要点さえ押えとけばそのほかは何でもいい。


巻雲。

編笠山を捉えた。それより水場だ、水場!

樹のトンネルを抜けると

青年小屋。広くてキャンプサイトとしては結構よさそう。

水場だーーーーーーーーーーーっ!
青年小屋から5分くらい歩いたところにある。そんなかからんでしょと思っていたら実際それくらいかかった。

おお、今見ても美味そう。すっごく冷たくて最高に美味かった。
満タンで重くなったが水のある安心感を優先する。

さらば青年小屋。大きい岩場を編笠山に向かっていきます。
岩の隙間に落し物をしたら回収はまず不可能。

最後の登りだ!なんだか麦草峠〜丸山を思い出す光景。
じめじめ暑い。

8:56編笠山山頂に着いた。目的の山の終着駅。天気が良い!

この写真は甲斐駒〜北アルプスの南くらい。
素晴らしい景色。富士山〜甲斐駒ケ岳鳳凰山北アルプスまで一望できる。

空の青さが最高。

振り返れば、厳しかった山々の優しい顔が見える。なんだか名残惜しく感じた。
編笠山から山梨県小淵沢駅まで歩いて帰ります。
広葉樹の林をうんざりするくらい歩いて下り、久しぶりに見たアスファルトに感動して、
住宅街で迷って、暑くて暑くてしんどいのを我慢して最終的に小淵沢に着いたのは14:30。

ここ小さな小淵沢駅で特急あずさを待ちます。
今となっては過去の話だが、当時はお盆の帰省ラッシュ
座れるわけもなく立ち乗り、最後の力を振り絞って網棚にザックを上げた。



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南八ヶ岳を歩ききることができて、なんだか人生に箔がついた気がする。
もちろん自己満足だが、久しぶりに味わう成し遂げた感が心地よい。
いろんな課題はあるけれど少しずつ直していこう。

山はいいなぁ。