RAWイメージング。

実は全部JPEG撮って出し。

エリア88について。

好きなマンガの一つ。3本指には入るかな。

この作品の一番の特徴は飛行機屋がみなちゃんと飛行機屋なことだと思う。
口が悪くて、皮肉が好きで、度胸がある。私が昔どこからか抱いた飛行機に携わる人々の
イメージにぴったりおさまってしまう。

ここまでだったら意外と常人でも描ける内容なのかもしれない。
飛行機ってかっこいいからそれだけでもそれなりの漫画になるだろう。

それだけだったら記事に書くことはない。エリア88にはもっと光るところがあるのだ。
新谷かおる漫画の良いところはさりげないセリフ回し。
かっこよく言わせるのではない。意味を持たせてあるからすべてのセリフがかっこいいんだ。
セリフに機能美を感じるというのがいいかもしれない。

有名なセリフにマッコイ爺さんの「機械なんて口金のサイズさえ合えばいいのさ、そんなもんさ」
というのがある。たしか誰かの機体は燃料ポンプを変えてあるから音が違うんだ、という内容の次の一言だったと思う。これだけでもかっこいいでしょ?
これは常人がホイと出せるセリフじゃないなと思った。
口金の件は全面的に賛成なんだけど、音が変わるというのは納得いかん…
余談だが、日本でこれをやろうとすると修理改造検査というめんどくさい国の検査を受検しなければならない。


何かおかしい、飛行機好きの漫画家にしては詳しすぎると思って調べたらやっぱりパイロットを目指していたんだそうだ。通りでリアルでかっこいい仕草がかけるわけだ。

エリア88はアニメにもなっていて、こっちもアニメーターがしっかり昇華したので楽しませていただいた。
何作かあるうちのセル画時代の線が太い作品は最高。エンジン異常が発生した大和航空旅客機のコクピットに「ENG OIL PRESS」のワーニングが点灯しているのを見つけた時は笑ってしまった。スタッフも好きだったんだろうか?

その後のリメイクはCG多用で、風間シンを強い奴に描きすぎてクソだった。


体の都合でパイロットになれなかった作者はエリア88を描いた。
本気で目指していたんだろうと思う。ここまで飛行機の世界に愛を感じる作品は少ない。

違う世界を知っている漫画家の漫画は面白い。これが言いたかった。
漫画を読んで育った若者が漫画を描きたいというのはいいことだと思うが、漫画を参考にして漫画を描かないようにしていただきたい。最近の漫画はそんな感じがしてならない。熱意が微塵も感じられないんだ!
だから、次の漫画を描く世代にはいっぱい趣味を作って、いっぱい失敗して、いろいろ感じて漫画家になってほしい。
通りすがりのくせに気が付いたら巨匠みたいなことを書いてしまった。
でもすっきりした。
あとワンピースはやっぱり好きになれない…